COMP公式プロゲーマーの「輝Rock」と「シオロジカ」です。
6月8日・9日に台湾 台北で行われた格闘ゲームイベント「Taipei Major 2019(闘心2019)」*1(以下、Taipei Major)で開催されたDEAD OR ALIVE 6 *2(以下、DOA6)部門に出場してきましたので、今回もイベントを振り返りつつレポートをお届けしたいと思います。
*1 Taipei Major 2019(闘心2019)
『DEAD OR ALIVE 6』部門はDOA6ワールドチャンピオンシップのオフラインポイントマッチイベントに認定されている他、ソウルキャリバー6部門はソウルキャリバーアジアリーグのバトルステージイベント、『ストリートファイター5』部門はカプコンプロツアー2019のプレミアイベント、『鉄拳7』部門は鉄拳ワールドツアー2019のチャレンジャーイベントと多くのタイトルのツアーに指定されている大会。日本からもストリートファイター5を中心に総勢約100名の選手が参加。
*2 DEAD OR ALIVE6
コーエーテクモゲームスからリリースされている3D対戦格闘ゲームのDEAD OR ALIVEシリーズ最新作。2019年3月1日に発売されたばかり。打撃、投げ、ホールド(返し技)の3すくみを利用した読み合いが特徴。
Taipei Majorは2019年を通して行われるDOA6の世界大会「DEAD OR ALIVE 6 World Championship」(以下、DOA6WC)に認定されている大会です。
日本からもストリートファイター5を中心に、総勢約100名の選手が参加しています。
詳しくは前回記事もご覧ください。
■ 大会前日
Taipei Majorは台湾の台北で行われる為、前日に羽田から飛行機で移動。
今回の行き帰りとホテルはソウルキャリバーⅥ部門にメインで参加する
「PGW神園 」選手*3と同行しました。
*3「PGW 神園」選手とは
2D、3D問わず様々な格ゲーで活躍するマルチプレイヤーで、現在はPGWに所属しているプロゲーマー。プレイヤーだけでなく大会のMCや実況もこなす。以前はDOA5もコアにプレイしていた。
神園選手 プロフィールページ:https://progamersworld.com/progamer/kamizono/
羽田空港から昼のフライトで出発したので、台北には夕方に到着しました。
ホテルへ直行して荷物を預けた後、同じく日本から出場するDOAプレイヤーの
「Keisuke」選手と合流し一緒に夕ご飯。
本場の小籠包に舌鼓。
食事後は戻ってホテルで練習。今回はKSB2019で見事優勝を飾った「Keisuke」選手も一緒に練習しました。
■大会当日
DOA6は朝から大会がスタートということで、朝イチから会場へ。
今回の会場はこちら。大きな公園の中にあるイベントホールで、
横並びの建物では他にも様々なイベントが開催されていました。
会場の中の様子。
大会のタイムスケジュールはKSB2019と同じく「予選」と「TOP8」に分かれており、TOP8からの試合は翌日に壇上で行われます。大会ルールはDOA6WCで共通のダブルエリミネーション方式です。
*ルール詳細は前回の「KSB2019」レポートをご覧ください。
予選は4つのプールに分かれており、各プールごとにウィナーズサイド1名、ルーザーズサイド1名の計2名ずつがTOP8として勝ち上がります。
今回は輝Rockがプール2、シオロジカがプール3と別々のプールでした。
以下の画像をクリックすると、予選〜TOP8までの試合の様子をご覧いただけます。
画像&動画提供元:Twitch:versusasia
■ 輝Rock 予選〜TOP8
輝Rock:
今回は1戦目2戦目と調子よく勝ち上がったところで、3試合目は台湾勢でハヤブサ使いのjingwoei(ジングウェイ)選手。彼は前作のDOA5で日本で開催されたチーム戦の大会にも参加したことがあるプレイヤーでお互いに面識がありました。
試合が始まると、なんとあっという間に3ラウンド連取されてしまい、いきなり1試合負けてしまいました。知っているプレイヤーではあったものの、DOA6では初めて対戦することもあって相手の出方を見ようと思い様子を見すぎていたのが裏目に出た形でした。
逆に相手は、事前に私のスタイルや特徴に対する対策を立てていたようで、試合中の動きに迷いがなかったのか、かなり最初はやり辛く感じました。
そして2試合目、これ以上は譲れないという思いと、相手が攻めっ気強く動いてきていたこともふまえ、思い切って序盤から自キャラ(かすみ)の強みを生かしてガンガン攻める展開にしました。
これが功を奏したのか、ある程度対応はされたもののリターン勝ちする場面が増え、なんとかそこから盛り返して2試合連続勝利して勝ちを拾いました。かなり危なっかしい試合内容で配信に残っていないのが残念ですが、個人的に反省点の多い試合でした。
ウィナーズの試合ではあったものの、もしあのまま相手の策と勢いに呑まれて負けていたなら、とてつもない後悔に襲われていたと思います。
大会は数少ない試合数で進んで行くので、より早く決断して行動しなければならない場面が多いため、無難さを求めて決断を後回しにしてしまうのは私の良くないクセで、今後の課題だなと痛感した試合でした。
また、今回は同じプールに日本人選手のAKA選手がいたので、その後のウィナーズファイナルでは日本人同士の直接対決になりました。
試合前のAKA選手と輝Rock。
ここ最近の大会ではよくあたっているような気がします。
実際の試合の様子は、以下のリンクからご覧いただけます。
輝Rock vs AKA選手
画像&動画提供元:Twitch:versusasia
輝Rock:
1試合目はこちらの攻撃のきっかけを止められる場面が多くリターン負けすることが多かったのか敗北。続く2試合目も、途中までは相手のペースだったのですが、下段攻撃での崩しを起点に攻めてなんとか盛り返して2連勝で勝利しウィナーズでTOP8抜けしました。
■ シオロジカ 予選〜TOP8
シオロジカ:
自分はプール1回戦目の試合で内容は問題無かったのですが、試合中にコントローラーの接続が切れてしまう機材トラブルがありました。
ここ最近接続部の接触が悪いなと感じてはいたのですが、まさか大会本番中にトラブルが起きてしまうとは思っていなかったので動揺しましたが、ケーブルを再度しっかり繋げなおして事なきを得ました。
2回戦目はプールの中で一番警戒していた台湾の「KillerBear」選手。
実際の試合の様子は、以下のリンクからご覧いただけます。
シオロジカ vs KillerBear選手
画像&動画提供元:Twitch:versusasia
最初の試合は優勢な流れだったのですが、途中で一気に攻めに転じた「KillerBear」選手に対応出来ず逆転負けで1試合取られてしまいました。
後がない2試合目、引き続き自分は相手の攻めに対応するスタイルで臨んだのですが、先ほど試合に勝った「KillerBear」選手の勢いが凄まじく先に2ラウンド取られてしまいます。
しかし、追い詰められたこの状況で無理に動きを変えては危ないと考え、敢えて対応のスタイルを崩さずに慎重に戦った結果、何とか逆転し勝利を収め1対1に持ち込みます。
対戦の流れは完全に「攻めvs守り」という形になっていたので、試合間に3戦目は自分から攻める選択を増やして先ほどまでとは違った展開にしようと決断して変化をつけました。
この作戦が上手く機能してくれたおかげで3試合目はストレートで勝利。いまになって試合を見返しても状況判断ミスやコンボミスなどが多く、気持ちでも押されていたんだなぁと思います。
咄嗟の場面で無意識に手が動いて普段練習しているホールド(返し技)が成功し、危ないラウンドが拾えたりとやり込みのお陰で救われました。練習大事ですね!
残りの試合は危なげなく勝利して輝さんに続いてウィナーズでTOP8抜けとなりました。
■ 各プールのTOP8進出選手:
【プール1】W:Rabbit選手 L:Keisuke選手
直前のDOA6WC大会で優勝したKeisuke選手がまさかの初戦で敗退してルーザーズへ落ちるも、なんとかそのままプールを抜けてTOP8へ進出。Rabbit選手は酔拳使いの「ブラッド・ウォン」というテクニカルなキャラクターを使いこなす台湾の強豪プレイヤー。
【プール2】W:輝Rock選手 L:Casually_Play選手
AKA選手とのルーザーズファイナルを制した「Casually_Play」選手がTOP8へ。「Casuall_Play」選手が勝利し、日本人選手1名が惜しくも初日で敗退となりました。
【プール3】W:シオロジカ選手 L:KillerBear選手
シオロジカと接戦を繰り広げた「KillerBear」選手がルーザーズでTOP8へ。「KillerBear」選手は複数のキャラクターを使いこなし、相手によって使用キャラクターを変更しながら勝ち上がってきました。
※ルール上、試合に負けた側のみ次戦のキャラクターを変更可能となっています。
【プール4】W:Tasumania選手 L:Linerback選手
ウィナーズファイナルでは台湾の「Tasumania」選手 VS 日本の「Linerback」選手という強豪同士の組み合わせになり、破竹の勢いで試合を制した「Tasumania」選手がウィナーズでプールを抜ける展開に。
以上でTOP8が出揃いましたので2日目の初戦の組み合わせは以下の様に決定しました。
【プール1】W:Rabbit選手 vs 【プール2】W:輝Rock選手
【プール3】W:シオロジカ選手 vs 【プール4】W:Tasumania選手
【プール1】L:Keisuke選手 vs 【プール2】L:Casually_Play選手
【プール3】L:KillerBear選手 vs 【プール4】L:Linerback選手
この時点で、KSB2019で優勝、準優勝だったプレイヤーがどちらもルーザーズでのTOP8進出という波乱の展開。更にTOP8初戦が全て日本対台湾になるという形になり初日の大会は終了しました。
■TOP8終了後
初日の大会スケジュール終了後は、現地の台湾勢が対戦会をセッティングしてくれたので数名の日本勢と一緒に参加してきました。
実際の対戦会の様子
台北市内にある「DBJ 格斗電競活動館」という台湾の格闘ゲーマーが営むゲーミングスポットで台湾勢と交流。
シオロジカ:
そこでは明日初戦で対戦する「Tasumania」選手も来ていました。
大会では直接対決の相手と野良試合を好んでやる選手もいれば相手に情報や動きを知られたくないという意味で対戦を好まないプレイヤーもいます。
自分はどちらかと言えば相手の動きを知りたい為、対戦したい方なのですが、「Tasumania」選手がどちらのタイプか分からない為、声を掛けずにいました。
そこへ「Tasumania」選手から対戦を申し込まれたのでお互いに対戦したいタイプと分かり、これ幸いとほとんどの時間を「Tasumania」選手との対戦にあてました。
結果としてはかなり好成績で勝ち越すことが出来たのですが、以前KSBでも書いた通り、大会の2先や3先の短期決戦では追う側が負けた内容に対して対策してくることが多い為、前日勝っていたからと言って油断は出来ません。
対戦会後は絶対に明日動きを変えてくるだろうから注意しようと逆に気を引き締めました。
輝Rock:
私の方は対戦会では多くの台湾プレイヤーと交代で対戦させてもらいました。短時間でしたが、台湾勢の配慮のおかげで様々なプレイヤーとの経験を積むことができました。
初めての台湾遠征だったので、自分にとって良い対戦経験にもなりましたし、なによりゲームを通じて交流できたことが純粋に楽しかったです。
私は普段の海外遠征のときは、大会前は相手に動きを見られて対策されるのをイヤがって事前に対戦しないことがほとんどなのですが、今回はあまり固いことを思うのは試合に悪影響もあるのかな?と思い、試しに考え方を変えてみてざっくばらんにプレイと対戦を楽しんでいました。
結局それが大会的に良かったかどうかは実感できませんでしたが、楽しそうな台湾勢と一緒にプレイできてたことは嬉しかったですね。
対戦会後はホテルに戻りました。
今日のプールでの試合ではかなり危ない場面が目立ったので、気を引き締めて翌日に臨まなければならないということで、自室で入念に練習〜シオロジカとお互いにダメ出しをしあいながら動きのチェックして、明日に備えました。
『「Taipei Major 2019(闘心2019)」参戦レポート(輝Rock / シオロジカ)後編』へ続く
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