「Taipei Major 2019(闘心2019)」参戦レポート(輝Rock / シオロジカ)後編

COMP公式プロゲーマーの「輝Rock」と「シオロジカ」です。


「Taipei Major 2019(闘心2019)」参戦レポート後編スタートです。

(前編はこちらから。)

TOP8の選手達で撮影。


実際のTOP8〜の試合の模様は、以下の動画よりご覧いただけます。(日本語ミラー配信)

動画提供元:YouTube 電撃オンライン


台北メジャーのTOP8~の試合は翌日に開催されました。


前回大阪で開催されたDOA6WCのKSB2019では1日ですべての予定を消化していましたが、海外の大きなトーナメントでは複数日開催されることが主流で2日間に分けることが多いです。


DOA6のTOP8は13時スタートだったので、ホテルで朝食を摂った後にもホテルの自室で練習してしっかりと試合に備えることができました。


この点の体調管理が上手く行ったため、体力的な疲労は最小限に抑えられたと思います。


■TOP8~TOP4 「輝Rock」

TOP8に試合進行はウィナーズの試合からで、トップバッターは「輝Rock」 VS 「Rabbit」選手の試合。

輝Rock vs 「Rabbit」選手


実際の試合の様子は、以下の動画をご覧ください。

動画提供元:YouTube 電撃オンライン


輝Rock:

その日の最初の試合であり、私に続いてシオロジカも試合を控えていたのでなんとか勝利して勢いをつけたいと思っていたこともあり、ここの勝ち負けでその日のトーナメントの命運を分ける大事な試合だと思って臨みました。


「Rabbit」選手との試合は、ギリギリまでホテルで相手のキャラクターや技への対策を準備していたものの、いざ本番になるとなかなか上手く対策を出すことができず、1試合目は何も出来ずに敗北。


続く2試合目は、少しづつ相手の攻めに対応できるようになってきたことと、ラストの場面でこちらの攻撃がが運よく当たり試合を取れてなんとか1対1に。


次の試合はギリギリで敗北してしまって2対1になったものの、準備していたものを徐々に出せてきていたので、その次の試合では、なるべく落ち着いて自キャラの長所である長距離戦をやりつつ攻め手の豊富さを活かして勝利して2対2。


そして最後の5試合目、途中の試合でもこちらの決め手となる攻撃を何度かギリギリでしのがれていたのですが、比較的波乱の起きにくいステージだったこともあり、前の試合の流れのまま戦いなんとか辛勝できました。


試合を終えてみて、付け焼刃的ではあったものの対策を出しながら相手プレイヤーの動きに合わせて戦えていたので、長期戦の中でどうにかこうにか勝てたという感じでした。


前日からの危うい流れもここでも引きずってしまっていたため、私自身もかなりヒヤヒヤしたのですが、どうにか勝てて良かったです。


余談ですが、私はこれまで参加した海外大会ではウィナーズ側で順調に勝ち進み、TOP8まで残れることも多かったのですが、そのことごとくが2日目は1勝もできずに敗退することも多かったです。


自分にとって、この日の大会でウィナーズ側TOP8で勝利できたことは、これまで自分の中に勝手に作り出していた壁をようやっと乗り越えることができたように思え、大きな意味を感じるものでした。


そして次の試合の勝者が対戦相手となるため、シオロジカの試合を見守りました。


■TOP8~TOP4 「シオロジカ」

続いて、「シオロジカ」vs「Tasumania」選手の試合がはじまります。

シオロジカ vs 「Tasumania」選手


実際の試合の様子は、以下の動画をご覧ください。

動画提供元:YouTube 電撃オンライン


シオロジカ:

大会2日目、初戦の相手は「Tasumania」選手。


「Tasumania」選手の使用する「バイマン」というキャラクターは相手の打撃に対してホールド(返し技)を成功させると体力の4割ほどを削ることが出来る返し技が得意なキャラクターです。


加えてオフェンシブホールド(掴み技)というガードの上から相手を掴み、ダメージを与えてくる強力な技を持っています。


その為、打撃で攻めるとホールドされる可能性があり、それを嫌がってガードを固めすぎるとオフェンシブホールドで掴まれてしまいます。但し、その分打撃が遅いので打撃攻めが難しいなどの弱点があるので尖った性能となっています。


流れに乗せてしまうと止めるのが難しい為、大会では「バイマン」と対戦したくない選手は多いと思います。


自分は前日、ホールドされないように必要最低限の打撃を打ち、相手の打撃の攻めはガードしつつ、オフェンシブホールドが来そうな場面でしゃがむ(※オフェンシブホールドはしゃがめば掴めない)という守りを軸とする対策を使用しました。


なので今日はオフェンシブホールドをちらつかせつつも前日より打撃や投げでの攻めを増やしてくるだろうという予測を立てていました。


また、前日にコントローラーのケーブルの接触不良があったので気になっていたのですが、惜しくもルーザーズファイナルで敗れた日本のAKA選手が同じコントローラーを使用しており、ケーブルを貸してくれたので引っかかっていた心配も無くなり全力で戦うことができました。


1戦目は予想した通りの動きで来たので守り中心では無くこちらから打撃を振って攻める姿勢を見せます。


元々「バイマン」は打撃の性能は低いので自分の使用する「NiCO」と打撃戦を行うのであれば自分が圧倒的有利です。


その中で攻めを唐突にやめて守りに入ったりと押し引きのリズムを切り替えながら戦うことで1試合目を勝利。


2試合目、3試合目も初戦での戦い方ががっちりハマっていたので戦い方は継続し、3試合連取して勝利することが出来ました。


ここで輝さんとウィナーズファイナルが決定したのでどちらかがグランドファイナルに進出することが確定となります。


KSBではお互いグランドファイナルへあと一歩のところで進出できなかったのでまずは一安心。


■ TOP8〜TOP4 その他

その後はルーザーズ側の試合となります。「Keisuke」選手 vs 「Casually_Play」選手との試合では「Keisuke」選手が勝利しました。

「Keisuke」選手 vs 「Casually_Play」選手


続く「KillerBear」選手 vs 「Linerback」選手の試合では「Linerback」選手が勝利し、TOP8の初戦は4試合とも日本勢が勝利する結果となりました。

「KillerBear」選手 vs 「Linerback」選手


次戦で引き続き「Keisuke」選手 vs 「Rabbit」選手、「Tasumania」選手 vs 「Linerback」選手が行われ、先ほどと同じく日本の「Keisuke」選手、「Linerback」選手が勝利しました。


■TOP4~決勝

TOP4の組み合わせは以下となります。


【ウィナーズファイナル】「シオロジカ」 vs 「輝Rock」

【ルーザーズセミファイナル】「Keisuke」選手 vs 「Linerback」選手

【ルーザーズファイナル】ウィナーズファイナルの敗者 vs ルーザーズセミファイナルの勝者

【グランドファイナル】ウィナーズファイナルの勝者 vs ルーザーズファイナルの勝者


※グランドファイナルではウィナーズ側は3試合先取で1度敗北したとしてもルーザーズ側になるだけなので、もしウィナーズ側が負けた場合は再度そのまま再戦となります。これをリセットと表現します。


■【ウィナーズファイナル】「輝Rock」 vs 「シオロジカ」

グランドファイナル進出をかけた一戦。コンプ同士の対決になります。

「シオロジカ」vs 「輝Rock」


実際の試合の様子は、以下の動画をご覧ください。

動画提供元:YouTube 電撃オンライン


輝Rock:

久しぶりにシオロジカとのウィナーズファイナル戦でした。


普段から対戦していることもあり、戦い方や考え方のクセも知っている相手なので、大会ではいつもお互いに「今日、いまこの瞬間の相手はどのモードで戦っていてるのか」を察知するまでが重要になってきます。


私は普段の対戦だと、なるべく無難に戦うことを好むので、そこを裏切る意味でこの試合では終始強気な攻め方をしたところそれが上手くハマり、先に試合を取ってリードを出来ました。


試合を先に取れたことで心のゆとりもあったためか、試合の後半は相手に徐々に対応されてはいたのですが、ステージや状況に恵まれて3対2で勝利しました。


シオロジカ:

序盤は強気に攻めて来てるなというのは感じていました。


いつもとは違う戦い方で来たので序盤は上手く対応することが出来ずに2-1と追い詰められたところで一旦間をおいて気持ちをリセットさせましいた。


あまり時間をかけすぎると遅延行為となってしまうので、10秒ほど考えてとにかくこっちも攻めようと決め、4試合目に臨みました。


その試合は攻めを増やしたことで流れがこちらに傾き勝利することが出来たので2-2になりそこからの最終戦はこのままいけるという自信もありました。


実際序盤は優勢だったのですが、最終ラウンド、勝てる大きなチャンスが3回訪れたのですが全部読まれて潰されてしまい敗北。


あと少しだったのに……。


【ルーザーズセミファイナル】「Keisuke」選手 vs 「Linerback」選手

大阪で開催された「KSB2019」の決勝の組み合わせがここで再現。

「Keisuke」選手 vs 「Linerback」選手


実際の試合の様子は、以下の動画をご覧ください。

動画提供元:YouTube 電撃オンライン


KSB2019ではギリギリの接戦を制して「Keisuke」選手が勝利していましたが、今回は「Linerback」選手が3連勝で勝利し前回の対戦の雪辱を晴らす結果となりました。


■ 【ルーザーズファイナル】「Linerback」選手 vs 「シオロジカ」

ウィナーズファイナルで敗北した「シオロジカ」と、ルーザーズセミファイナルで勝利した「Linerback」選手の組み合わせとなりました。

「Linerback」選手 vs 「シオロジカ」


実際の試合の様子は、以下の動画をご覧ください。

動画提供元:YouTube 電撃オンライン


シオロジカ:

「Linerback」選手は前作から大会に良く出場している選手で同じ大会に何度も出ていたのですが、私はこれまで一度も大会で当たったことが無かったので試合をするのは緊張よりも楽しみだなという思いが強かったです。


「Linerback」選手は輝さんと同じ「霞」というキャラクターと、最近使うようになった「マリー・ローズ」という2つのキャラクターを使い分けています。


大会で当たったことがないのでどちらを出してくるか分からない状態だったのですが、霞は普段輝さんと対戦をしているし、マリー・ローズは自分の使うキャラクターと相性が良かったのでLinerback選手も悩んでいる様子でした。


初戦は「マリー・ローズ」を選択してきましたが、相性の良い攻撃を押し付けるように戦うように意識して勝利。


2戦目で「霞」に変えてきましたが、ここも行動が全て噛み合いストレートで勝利。


正直霞戦は運が良かったことが大きく影響していたので、どちらかと言えば霞の連戦の方が嫌だったのですが、もう一度マリー・ローズに戻してきました。


最終戦は戦い方を少し変えてきたので対応するのに苦労しましたがギリギリで勝つことができ、輝さんの待つグランドファイナルへ進出!


■【グランドファイナル】「輝Rock」 vs 「シオロジカ」

ウィナーズファイナルを制した「輝Rock」と、ルーザーズファイナルを制した「シオロジカ」の組み合わせとなりました。30分を超える激闘の様子は、ぜひ以下の動画をご覧ください。

動画提供元:YouTube 電撃オンライン


輝Rock:

ウィナーズ側ということで負けても試合数多く戦えるということから、これまでとは違って少し余裕をもって色々と試しつつ戦えたらなと思っていたのですが、試合が始まってみるとそんな余裕もなく相手にリードを許してしまう展開になりました。


ウィナーズ側は相手よりも余分に負けてもまだ試合ができるので、この点はかなりのアドバンテージだったのですが、その利点を活かすことが出来なかったのが悔やまれます。


相手に先に3試合取られて私もルーザーズ側に行くリセットとなりましたが、ターニングポイントとなったのはリセットされる直前の試合のぐらいからで、シオロジカの防御が上手くギリギリのラウンドを取られてしまう状況が目立つようになってきていました。


このあたりから私は自分の動きに自身を持って戦うことができなくなっていました。そうなってしまうと、自分のダメなところを頭では分かっているつもりでも、動きを変えるのが難しくなってしまいます。


そのまま相手の対応手段に切り返すことができない流れを引きずり、リセットからシオロジカに捲られて敗北。今大会では準優勝でフィニッシュしました。


私個人としてはコンプのユニフォームを着て海外大会で二人並んでグランドファイナルに出れたことが純粋に嬉しかったです。


シオロジカ:

ルーザーズ側からでしたが、ルーザーズファイナルで良い試合が出来たこともあり、良い緊張感で試合が開始出来ました。


意識していたのはウィナーズファイナルでの最終ラウンドで焦って下段で強引に崩しに行き、ガードして確定反撃を入れられて負けてしまった事でした。


なのでもっとじっくりと戦おうという気持ちでした。


最初の3試合、ここぞというホールドが決まってくれたお陰で3対1でリセットに成功しました。見た目は押している様に見えますが、かなりギリギリの試合でしたので余裕はありませんでした。


ですが、じっくり戦おうと自分で決めていたことを貫けていたことでリセット後も集中を継続することが出来ました。


リセット後の2-1でリードした最終戦。ギリギリで試合を取れた直後なので輝さんの動きが慎重になることを予想して開幕からリスクは高いけど相手がガードを固めていれば通る読みあいを仕掛けました。


これが上手くいってくれたおかげで逆転勝利を納めることが出来ました。


試合時間にして30分ほどでしたが体感時間はあっという間でした。


優勝が決まった時、珍しくガッツポーズを取るくらい瞬間的に気持ちが高ぶりました(笑)


2人で結果を残せたことが何より嬉しかったです。



表彰式の様子

左から 「輝Rock」、「シオロジカ」、「Linerback」選手


■あとがき

我々二人は今回の大会でもDOA6WCのポイントを多く得る事ができたため、シオロジカは同着1位、輝Rockは同着3位になりました。


同じコンプ公式サポート選手同士の試合で大会の最後を飾る事ができたことも嬉しかったですし、お互いにポイント的にも良い位置に入りこめたので、次の遠征大会でも勝ち進めるよう精進していきます。


次回、我々が参戦予定のDOA6WCの大会は6/28~6/30にアメリカのフロリダで開催される「CEO2019」です。


CEO2019では、DOA6になってから初めて欧米のプレイヤーと本格的に戦うことになる大会なので、今から気を引き締めて準備しています。


日本とは時差の大きい地域での大会となりますが、是非応援、観戦頂けたらと思います。


それでは次回のレポートもお楽しみに!!

写真:「シオロジカ」(左)「輝Rock」(右)

台湾勢と一緒に対戦会後に写真撮影。

画像提供:コーエーテクモゲームス、他

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